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虚血性大腸炎とは?症状の特徴・治療方法について解説|港北肛門クリニック

虚血性大腸炎

突然に腹痛、下痢、下血で発症します。
一時的に腸の粘膜への血流が途絶え、粘膜が壊死あるいはそれに近い状態に陥ることで起こります。明らかな原因は不明ですが、いままでは、高齢で動脈硬化を起こすような疾患(糖尿病、高脂血症、高血圧など)を持っている方に、便秘から下痢になるなど、腸の内圧が大きく変化したときに発生すると考えられてきました。
しかし大腸内視鏡検査の普及で、20代の若年者や糖尿病などの疾患のない方に発症することも珍しくないため、原因も動脈硬化による血管の狭窄によるのではなく、腸内の圧の急激な変化によって引き起こされる血流障害が主と考えられるようになってきました。

炎症は、ほとんどS状結腸から下行結腸(あるいは横行結腸)に認め、発赤を認める軽い程度のものから、潰瘍や粘膜下層の出血・浮腫を広い範囲で認める重いものまで様々です。
ほとんどは、そのままで治癒しますが(一過性型)、稀になかなか治癒せず、その部分が狭くなる(狭窄型)のものもあります。

治療について

まずは、腸の安静を計ります。
程度にもよりますが、絶食と点滴により、ほとんどの場合完全に治癒します(一過性型)。
まれですが、治癒が遷延して病変部が狭くなり通過障害が出た場合は、外科的に切除しなければならないこともあります。